インターネット上のコミュニケーションには様々な形がありますが、基本となるのは文字によるやりとりです。しかし文字のみの交流では、例えば「笑いながら」「変な顔をしながら」のような非言語的なシグナルが伝わりにくいという面があります。
当然、文字には文字ならではの作法や伝達技術があります。しかし、携帯電話の電子メール機能などの普及によってネット上の文化が発展するに連れ、口語的に文字情報をやりとりする需要が高まりました。
そこで、まるで相手と面と向かって話しているような気軽さで、文字とともにカッコ書きで「状況」を付帯させる文化が、主に若者たちの間のメールやチャットで自然発生的に生まれ、発展・多様化しました。「(白目) 」もその一つと考えられています。
「(白目) 」は、原則として何らかの文章の最後につけて、「その文章を白目を剥きながら発信している」とアピールするために使います。語尾ではなく、ただ「(白目) 」とだけ使われることもありますが、大抵は何らかの指示対象(状況)が存在します。
なぜ白目を剥いているのか(そう演出する必要があるのか)は人それぞれですが、主な理由としては「絶望や驚きのあまり失神しかけている」「疲労のあまり錯乱しかけている」「真面目な発言(本心)を、コミカルな演出により誤魔化し、お茶を濁している」などが挙げられます。
どのような使い方にせよ、「白目を剥くほど、ちょっと普通じゃない状況だよ」と誰かの気を引くことを意識するのがポイントです。「助かった(白目) 」→「本当は助かっていない」のように、事実とは真逆の状況を表す使い方も可能です。
多くのネットスラングに共通する注意点ですが、「(白目) 」はかなりフランクでくだけた表現ですので、そのようなやりとりが許容されている場においてのみ使いましょう。
(会社員)
よーし今日も残業だ。お仕事楽しいなあ!(白目)
(※疲労や絶望のアピール)
(OL)
私、10代はけっこう無茶して生きてきたから、これからは堅実に生きたいんだよね(白目)
(※真面目な雰囲気をごまかしているか、事実とは180度異なる発言をしている)
(大学生)
彼女に送ったメールが返ってこない(白目)
(※絶望のアピール)
(主婦)
おはようございます(白目)
(※疲労のアピール、または特に意味がない一発ネタであることも)
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